時計じかけのオレンジ | 不気味でかっこいい雰囲気の風刺映画

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不気味でかっこいい雰囲気の風刺映画

 

暴力、セックス、ドラッグといった欲望の限りを尽くす荒廃した自由放任と、管理された全体主義社会とのジレンマを描いた風刺映画である。

しょっぱなからアーティスティックな演出で魅せてくるので、最初は気付きずらいが嫌味のようにそれ等は描かれており、暴力を誘発させるとの声も多数あがっており、誤解されやすい作品だ。

ここまで救いようがなく、悪の権現とも言える主人公もいないのではないだろうか。

退廃的な世界観とが織り成す、残虐行為の数々と、彼が収監されてからの実験にはグロテスクともとれるシーンが多く、その過激さには狂気すら感じる。

風刺といえど、オチは哲学的な要素も含んでいる。

暴力の根源的な解決とは何だったのか、他者への暴力行為を止める事が出来ても自身への暴力を止める事は出来ないとなると、彼の衝動はいったいどこから沸いてきていたのだろうか。

劇中歌の「雨に唄えば」や「第九」といった音楽の使い方も印象的で、耳に残るだろう。

主人公を演じたマルコム・マクダウェルが「この役を演じて10年間、ずっとあの役を嫌っていた。」というセリフからもその激しさが伝わってくる。

隠れた名作であり、最近でビレッジバンガードで原作本をよく見かけるので密かにブームなのかもしれない。

(ライター 伊藤 史帆)

映画情報

監督 スタンリー・キューブリック
脚本 スタンリー・キューブリック
公開 1971年
製作国 イギリス、アメリカ
上映時間 137分

予告編

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