月に囚われた男 | 人工知能とクローンの運命やいかに

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人工知能とクローンの運命やいかに

哀しい男の話である。人工知能の発達が目覚ましく成長している現代であるが、本作でもそれ等は人間の相棒として描かれており、人間と相対するような場面は見られないばかりか、主人公であり月基地での採掘作業員を孤独にこなす男が、実はクローン人間だと分かってもまるで心があるかのように協力的である。

低予算とは思えない近未来的な作りであり、月の美しくも無機質な印象そのままの映像である。

また、クローン同士の対立もあるかと思いきや、こちらも実に協力的である。

絶望的な状況下において信じられるのは自分だけ?といった感じなのであろうか。

地球への帰還船である“イライザ”が近づいてくるなか、二人はどんな決断を下すのであろうか。

人工知能ガーティ

ニコちゃんマークがトレードの人工知能であるガーティは「2001年宇宙の旅」に登場するHALのオマージュであり、最初はどこか主人公に対しても何か隠している素振りであったが、重大なパスワードを教えたり「私はあなたを助けるのが仕事です。」と言い切ったりと、人工知能だというのにいいヤツすぎて切なくなってしまう。

現実でどうなるかはさておき、この人工知能とクローン人間には人間として生きて貰いたいと願う。

(ライター 伊藤 史帆)

映画情報

監督 ダンカン・ジョーンズ
脚本 ネイサン・パーカー
原案・原作 スチュアート・フェネガン
トルーディ・スタイラー
ダンカン・ジョーンズ
製作 トレヴァー・ビーティー
ニッキー・ベンサム
ビル・バンゲイ
スチュアート・フェネガン
マーク・フォリーニョ
アレックス・フランシス
マイケル・ヘンリー
ジャスティン・ランチベリー
スティーヴ・ミルン
ディーパク・シッカ
トルーディ・スタイラー
ジュリア・ヴァレンタイン
ビル・ザイスブラット
公開 2009年
製作国 イギリス
上映時間 97分

予告編

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