自殺サークル | 集団自殺を巡る現代人の心の闇

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集団自殺を巡る現代人の心の闇

 

新宿駅のプラットホーム。帰宅時間なのであろう、女子高生たちは楽し気におしゃべりをしながら電車を待っていた。

だが、電車が近づくなり彼女たちは手に手をとり、「せーの、せーで!」と掛け声をあげはじめる。極めて明るいBGMがかかるなか、彼女たちはそこから言葉どうり一斉に飛び降りてしまう。

バラバラに飛び散る肉片と肢体から真っ赤な血が画面に広がる様は衝撃的だ。

この54人の少女の集団自殺は、センセーショナルに報道され、果たしてこれは事件か事故かと警察の捜査も難航していたが、事件の真相に近づいたのは彼氏を自殺で失った一人の少女であった。

サスペンスホラーというよりは、社会的な、現代人の心の闇を風刺したような作品だ。

象徴的なシーンの数々は推理がしたい人向けの作品とは言えないが、考察するには面白い作品だろう。

作中に使われている音楽も特徴的で耳に残る物が多い。

自殺サークルとは何なのか、ネットを媒介にして広がる死の連鎖が不気味さを助長させていく。

「あなたは、あなたの関係者ですか?」

この意味が理解出来た時にはもう、貴方は自殺サークルの一員となっているのかもしれない。

続編で「紀子の食卓」が出ている。

(ライター 伊藤 史帆)

映画情報

監督 園 子温
脚本 園 子温
公開 2002年
製作国 日本
上映時間 99分

予告編

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